国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 KS36-2改造型3m3積(試作)的土運車について(第1報)

作成年度 1962年度
論文名 KS36-2改造型3m3積(試作)的土運車について(第1報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和36年度(43)
発表会 昭和36年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和36年度技術研究発表会
発表年月日 1962/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
作家繁八
抄録
土砂の運搬にはモッコかづきと称するものから始まり、それから車を使用する段階に至ってはその最も簡単な木製トロッコからナベトロというV形ダンプカーの木製および鋼製側開きのダンプカーに進歩した。しかしこの種の車は他の建設機械と異なりあまり進歩をみないのは、いろいろな悪条件があるわけでその一例をあげると線路を上げる回数を少なくするため荷台を高くしなければならないが、高くすると安定性が悪くなる。またこれと同じ条件でダンプ角度を少なくすると土砂が落ちきれない弱みが出てくるわけである。この車はダンプする車なので重心に十分な安定性が必要なのであるが積込機、運転手、地形などにより必ずしもこれに満足することができないため安全性を重要視した設計が必要になってくるわけである。したがって2m3位までは各メーカーは種々独特な形式と安全性を誇っているが、それを超える大型になると各部理想とする条件を備えた土運車は現在いまだに現れていないといっても過言でないと思う。次にこの種の土運車は急勾配、急曲線障害物など悪条件が重なるのが通例で、しかも不慣れで粗暴な取り扱いをうける場合が多い。したがって故障損失が多発するにもかかわらず、それを具備した土運車が製作されずまた山間僻地に使用される箇所が多いにかかわらず修理工ならびに修理機械が備えていないのは多少破損しても無理やりひきずり廻して使用でき得ることがこの車の進歩をはばんでいると考えられる。したがって故障損失が多いにもかかわらず、ともかく車輌の選定よりも製作費の低廉なもので間に合わせる傾向が多分にあり耐久力に対する強度不足緩衝装置の不備、走行装置の不完全なものが多く保守修繕にでき高とアンバランスな多額の経費を要しながらも、やむを得ないものとしてその改善についてはあまりかえりみられないのが実情であった。しかるに近時土木工事が急速に発展しかつますます大規模となり、運搬量、運搬距離の増大とともに高度の運搬能力が要求され運搬車はより強力大容量のもの、より能率的なものさらに動力操作による作業のはやいことが要求されつつある。
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