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 洪水予報における低速型アナログ電子計算機のプログラミングについて

作成年度 1962年度
論文名 洪水予報における低速型アナログ電子計算機のプログラミングについて
論文名(和訳)
論文副題 昭和36年度(40)
発表会 昭和36年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和36年度技術研究発表会
発表年月日 1962/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
山岡勲
山口甲
増田懋隆
抄録
まだ河川の改修工事が対象区間全域に対して完成していない時、あるいは全区間に築堤が及んでも、その高さが暫安断面である場合などはもちろん洪水の被害をうけるが、かりに工事が完成している区間でも、計画高水量の超過確率の高いわが国では、最近のようにしばしば集中豪雨などによる異常洪水の発生が懸念される。したがってこれらの洪水に対して緊急の処置をとり、少なくとも動産、最小限人命については適当な防禦対策ができるように、洪水予報は改修工事とともに十分重要な意義を持つ。石狩川も橋本町より下流が水防法の洪水予報河川に指定されており、石狩川治水事務所の組織と技術をあげてこれに当たり、昭和36年7月洪水にも洪水流出に非線型を採り、貯留関数式により少なからぬ予報実績をあげている。この場合には計算尺をもって、1箇所2人位で計算に当たったので、一計算に約30分を要した。しかし計算すべき地点箇所はできれば多いことが望まれ、1箇所の計算でも雨量報告(降雨量および分布)の変化ごとに種々のHydrographに変化するので、これらの計算を繰り返す必要があり、一方計算担当者は少人数であり、しかも一刻も早く結果をださねばならぬ制約下にある。したがって電子計算機の使用が肝要で、この電子計算機の中でも必要以上に精度の高く高価なデジタル型のものでなく、取り扱い法が簡単で非線型の河川流出の模擬が容易であり、途中でデータ変更も自由であり、ペン書き記録が連続的にできるものが求められ、その精度も水文学的精度の範囲内でよい。したがって低速型アナログ・コンピューターの使用(精度0.1%まで)が最も適当であると考えられる。本文ではこのプログラミングの試案で、14要素位のもので実用性のあることを述べ、この採用が在来の計算尺に代わって実施されれば、十分とはいえない洪水予報の組織と技術に強力な支援となるものと期待される。
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