舗装用アスファルト合材中のフィラーの仂きを単に空隙充填材と考えるか、あるいはフィラー・ビチューメンという組成の結合材とみるかは、フィラーの粒度や質にも関係することで、意見の分かれるところであるが、最近ではフィラーの機能を高く評価する傾向にある。道路研究室では、北海道の気象条件を考慮して、夏期の高温時において必要な安定度を確保し、しかも冬期の低温時においてタイヤチェンのスリヘリに対して大きな抵抗性を示す表層用アスファルト合材の配合設計方法や使用材料の選択基準などについて試験研究を行なっているが、実験に際しては、フィラービチューメンが結合材であるとの考え方に立っている。北海道において広く採用されているアスファルトモルタル磨耗層についての実験では、フィラー・ビチューメンの質を、フィラーとアスファルトの比で定義することとし、フィラー・ビチューメンの質ならびに量と、使用砂を締固めたときの空隙量との関係から供試合材の配合を決め、合材の安定度試験やスリヘリ試験を行なってきた。アスファルトモルタルに対するこれまでの実験で、一応の成果をおさめることができたので、現在は同様んぼ考え方をトペカにまで拡大適用した実験を進めている。フィラー・ビチューメンの性状に関係するのは、アスファルトの種類やフィラーの質および配合比であると考えられる。以下、アスファルトの質やフィラーの質ならびに配合比の異なるフィラー・ビチューメンの性状を針入度、伸度、軟化点試験によって検討し、さらに、アスファルトモルタルとしての安定度やスリヘリ抵抗性との関連において少しく検討を加える。 |