表層用アスファルト合材の配合を決めるには、いろいろの方法がある。一般には、アスファルト舗装要鋼(日本道路協会)に示されている方法によっているが、これは主として合材の品質を決定するのに安定度を一つの目安にするものである。北海道においては、安定度のほかに冬期間自動車が滑り止めにつけているタイヤチェンに対するスリヘリ抵抗性を併せ考えなければならない。道路研究室では、いわゆる寒冷地向きの表層用合材を作るための配合設計方法を確立する目的で、アスファルト合材の安定性や抵抗性などの性状を合材中に占めるフィラー・ビチューメンの質と量との面から検討を加えてきた。実験の対象には、タイヤチェンによるスリヘリに対する磨耗層として広く採用されているアスファルトモルタルが表層用合材の基本となるものと考え、まずこれを採り上げることとした。合材試験は、マーシャル試験機による安定度試験と、実際道路におけるタイヤチェンの剥離作用を実験室内で再現したラベリング試験機によるスリヘリ試験とを行なって、合材の良否を判定することとした。また、この結果を上長都試験道路やその他の実際現場に施工して検証試験を行なっている。これについてはすでに発表したとおりである。本報文は、アスファルトモルタルの実験についで、同様の配合決定方法をトペカ合材に拡大適用した場合の2~3の実験例について、その概要を述べたものである。 |