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 小規模河川の水路装工について-中間報告-

作成年度 1962年度
論文名 小規模河川の水路装工について-中間報告-
論文名(和訳)
論文副題 昭和36年度(Ⅴ)
発表会 昭和36年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和36年度技術研究発表会
発表年月日 1962/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
石井重蔵
落合信義
泉敏郎
五十嵐博道
斎藤勇
抄録
土地改良事業で施工されている排水工事に対する調査にあたって特に標題を小規模河川としたのは、最近の傾向として排水路の新設、改良の事業が暗渠排水に対する幹線明渠排水としてのみにとどまらず河川的な性格、たとえば道費河川のような改修にまで及び非常に広範囲にわたっている現状からである。しかしあくまで明渠排水事業は一般河川とは性格を異にして、治水事業では高水処理を主眼としているのに対し地下水処理を目的としていることである。しかし、排水路も地域的にみて開発初期の地域と農耕地の高度に集約化された地域とではおのずからその条件も異なってくるわけである。すなわち未開の原野に掘削する排水路は排水の第一段階としてのいわゆる水道であって、洪水による氾濫も多少の河岸の欠壊もさして問題とならないことであるが、これが農耕地内を流れる排水路ともなれば、洪水による冠水、氾濫、耕土の流亡などは人畜、財産などに及ぼす影響はもちろん、農作物の減収、その他もろもろの社会的、経済的に及ぼす影響は常に甚大である。これらの問題に対処すべく行う事業はあらゆる角度から検討し、最少の経費で最大の効果を上げうるように努力すべきで、これらの観点から今後の排水路の施工工法はどうあるべきか、またその前に今まで施工してきた工事がどのような状態におかれているか、またそれをどのように改良したらよいかというようなことを一度振り返ってみる必要があると思われここに課題を要望したしだいである。またこのような調査の必要なことは他の一般的なことにもいえることであるが、一度工事が終わるとその構造物や水路がどのような状態におかれ、どう変化して行っているかということを調査観察されていないということである。特に排水路は用水路と異なり年々管理を怠るがゆえに水草のハン茂、法面の欠壊、土砂の堆積による断面の狭小など、さらにこれが原因となって洪水の氾濫、地下水の停滞など排水機能が著しく減退して行っている現状である。これらを防ぐためにも排水路にも装工し水路の保護が必要であることを強く感じられるしだいである。もちろん、これにも工事費など経済的問題が含まれているわけであるが、経済性を追求するがために出来上がった構造物が弱いもの効果の少なくないものであってはならない。今少しの改良と費用の投入で大きな災害が防止できたとすれば成果は大といえよう。これらの点から考えても排水機能の上昇や維持管理の面からも装工による排水効果は非常に大きなものといえよう。
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