コンクリート用骨材として、従来より良質な河川砂利が多く使用されてきたが、建設工事の増大に伴う骨材需要の増加とともに永年に亘る乱掘と河川保全上の制約などにより、河川砂利のみに依存することが困難となり、砂利に代わって砕石の使用割合が増す傾向にある。一方、製鉄産業の副産物である高炉スラグ砕石は、道内における生産量が年産55万ton(約72万m3)といわれているが、その大部分は路盤材として使用されており、コンクリート用骨材としては製鉄所構内の工事に10数万tonが使用されているにすぎないのが実状である。高炉スラグ砕石は、溶鉱炉から排出される鉱さいを、空気中で徐冷した後破砕したもので、酸化カルシュウム(CaO)、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、およびマグネシュウム(MgO)を主成分としており、同一製鉄所での化学組成は大幅に変動することはないが、その物理的性質は徐冷却の方法(畑方式、ビット方式)および冷却のサイクルタイム、散水量、水質、天候など製造条件によって変化することがすでに知られている。本文は高炉スラグ砕石をコンクリート用骨材として、今後広く一般に使用するために必要な資料を得ることを目的に、スラグ砕石の特質を明らかにするとともに、これがコンクリートの諸性質に与える影響を検討した基礎的実験の結果をとりまとめたものである。 |