国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 国道229号における落石等の防護施設の設計について

作成年度 1975年度
論文名 国道229号における落石等の防護施設の設計について
論文名(和訳)
論文副題 昭和50年度(B-10)
発表会 昭和50年度技術研究発表
誌名(No./号数) 昭和50年度技術研究発表
発表年月日 1976/02/25
所属研究室/機関名 著者名(英名)
黒川義雄
西本藤彦
抄録
この報告書は、大12回道路会議で発表したものの内容を具体的に補足修正し、防災対策をたてるうえで利用しやすいように整理したものである。道路の落石等に対する防災対策は、被害を皆無にするのが望ましいが、その為には将来発生しそうな最大規模の落石現象を科学的に推定し対策を講じる必要がある。しかし、将来発生しうる最大規模の落石現象をどのようにして推定するかという問題と、例えば科学的に推定できたとしてもその規模を対象に計画を立てたのでは非常に過大な計画となり、財政面や工期の面等で実現が不可能となり問題がある。したがって在来は、①既往の最大規模をもって落石に対する防災対策とするか、②過去の実績地域の状況から推計判断して対策を立てるか、③経済価値とのバランスにおいて対策の規模を認定するのが一般的であったが、最近落石事故等に対する道路管理者の責任をかなり厳しい態度で追及されろ傾向にある為通行規制等による管理体制強化による災害からの回避対策はもとより、通常予測される自然現象に対し安全性を具備する為の防御対策をどのように立てるかが過去における対策の実態から改めて問題となる。当該道路は、島牧村小田西~瀬棚町須築間約7.2Kmの前人未到の不通区間を昭和41年度より施工中のものである。当地区の地質は、新第三紀~鮮新世に形成された集塊岩、角礫凝灰岩が主体で溶岩がこれに準じてあり、溶岩は亀裂質で前者を含めて塊状剥離を生じている。地形はこれらの岩に特有な懸崖をなしており崖端部での標高は概ね20~30m、最高位で200m程度で道路横断面に対して階段状或いは段丘状地形である。懸崖先端部は海岸浸食作用が顕著で、一般に浜堤域の発達は不良である。工事開始時の経過と共に風化浸食も進み地質、地形の条件から落石、土石流、雪崩、落氷の現象がみられ多発の予想があるが特に落石が頻繁であると予測される。当該道路のような前人未到の地域における対策立案は過去の状況把握ができない為地形、地質から推計する以外になく①どの地点に、②どのような外力で、③どのような対策工法を立てるかの判断は自然現象に対する予測の困難は事と危険度に対する認識の個人差から意見のわかれるところが多いので、当該道路での災害規模の判断資料と設計における問題点の概要を示し御批判御指導いただきたくここに報告するものである。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.