機械化による草地造成作業では、自然立地条件により作業方式が異なる。これらの作業のなかで、造成地の良否を大きく左右するのは障害物処理作業であって、後続作業の精度、能率を高め、かつ各種障害性に対応した効率的処理法の確立が望まれている。未コン地の立木、根株およびササ・長草類による障害性の排除には、作業機械の施工形態によって、抜・排根、切断、切削、粉砕法等が検討されており、また実際にも行われている。これらの方法のうち、従来主に採用されているレーキドーザを使用した抜排根法は、表土の移動、カク乱やホ場周辺の障害物排除集積地(以下排根線という)によるホ場の利用、管理制限等を生じさせている。特に粗粒火山灰地では抜・排根作業によって、薄い表土も削剥され、セキ薄な心土が露出し、作物の発芽、生育に悪影響を及ぼすことが多い。クリアリングブレードを利用した地際切断法も、粗粒火山灰地では根に対する土壌支持力が弱いため斜め切ないしは押し抜きの状態となり、抜・排根法の施工跡地と大差ない地表面をもたらす。植生処理としての切削・粉砕法については施工事例も少なく、不明の点が多い現状である。そこで筆者らは、表土移動量の抑制や排除集積量の軽減に効果的と思われる切削・粉砕法として、シュレッダーを利用した現地試験を行った。供試シュレッダー(写真1)は、表4の形式・諸元を有し、地表の障害物処理作業機として米国で開発された機械である。ここでは、喬木およびカン木が混生する粗粒火山灰地で本機の実用性を検討した試験結果について報告する。 |