近年、少子高齢化社会に対応する政府レベルでの取り組みとして「高齢社会対策大綱」が閣議決定され、また建設省関連施設としては「生活福祉空間づくり大綱」のなかで、来るべき福祉社会に向けての住宅・社会資本についてのあり方、中長期的施策の方向や整備目標等は総合的に取りまとめられ、ノーマライゼーションの理念を実現することを目標としている。さらに、平成10年に閣議決定された新道路整備五ヵ年計画では「安心できる生活環境の形成」として市街地における福祉施設や医療施設への利便性を確保するため、施設間の連絡道路の整備について福祉関連施設と連携した連絡道路等の整備を進めることとしている。このようななか、釧路開発建設部では一般国道274号標茶町開運地区の福祉関連施設間における歩道整備を進める上で、当該地区が特に高齢者及び身体に障害を持つ移動制約者等の安全確保が求められいる地域であることに鑑み、歩道のバリアフリー化に加えて歩行性や冬期間の安全性を目指した歩道用弾性舗装ブロックの試験施工を実施した。このブロックは廃タイヤを冷凍粉砕したゴムチップを原材料とし、ウレタン樹脂により高温で加圧成形したリニューアル製品であり、廃タイヤ処理問題や地球温暖化防止に大きく貢献するものである。本報告では工事概要及びブロック・施工概要並びに問題点とその対策、更に施工後の周辺住民の評価について報告する。 |