農業の国際化の進展の中で、北海道農業を確立し、農業をひとつの産業の核とした北海道を築くためには、消費者ニーズに対応した安全で良質な農産物を高収量、低コストかつ安定的に生産していく必要がある。北海道は他府県に比べ、農薬の使用量が少なく安全な農産物を生産できる大きな利点があるが、一方で、生育期間が短いため、土地生産力を高めるだけでなく、大面積團場における省力的、効率的かつ適期の農作業が必要であり、それを可能とする團場整備が求められている。暗渠排水、心土破砕あるいは客土や置土などによる農地整備は従来から土地生産力を高めるために実施されてきたが、こうした要請に応えるためには、各工種においてより高度な整備水準が必要とされる。また、近年の農作業や農地整備工事には大型機械が使用されるため、土壌圧縮(ソイルコンパクション)による團場の劣化が進行し、その対策工法の確立の急務とされている。そこで平成8年度から始まった本研究では、従来工法の課題を近年の農業情勢もふまえて抽出し、現在まで個々に実施されている試験の成果を集約整理し、環境や国土の保全にも配慮した高度で低コストな農地整備工法の研究開発を平成11年度を目途に行うものである。 |