平成10年度の芽室地区のパイプライン工事において、当初、工事掘削土が粘性土主体であり管体部埋戻しへの利用は困難なため良質土(購入土)を用いる予定であった。しかし、当該工事の施工区間で、掘削発生土が礫質土系であることが確認されたため、発生土の現場転圧試験等を行い、管体埋戻し土としての利用の可否を検討した。その結果、発生土の自然含水比が高いことから、そのままの状態でトラフィカビリティが得られず機械転圧が不可能とされた。また、天日乾燥、溝切り排水等を行っても含水比の低下が小さく、やはり機械転圧が困難であった。そこで、円滑な施工および工程管理を確保するために、発生土に対して石灰系固化材を混合し、含水比を低下させる方法を検討した。現場内で石灰系固化材を油圧ショベルにより混ぜ合わせる方法で、発生土の含水比の低下が図られ、機械転圧が可能となった。この結果、管水路の埋戻し土として所定の転圧基準が得られ、また、当初予定していた購入土を使用した場合よりも、コスト縮減を図ることが可能となった。本報では、含水比は高い等の理由で、掘削時の状態のままではパイプラインの埋戻し土への利用が難しいケース等の技術参考として、石灰系固化材を用いた発生土の有効利用についての現場土質試験結果等を報告する。 |