北海道は、恵まれた資源や国土空間を生かして日本の中の食料基地としての役割を有しており、各種の農産物、酪農産品、水産品やこれら素材を活用した加工品の生産の場として、日本の中でもポテンシャルが高い土地である。第6期北海道総合開発計画(平成10年)においても、北海道開発の基本理念の一つである「国の内外に開かれ自立する北海道の実現」を可能にするための主要施策として「地球規模に視点を置いた食料基地を実現し成長期待産業等を育成する施策」が示されており、北海道の食料基地としての役割は今後とも重要な位置づけにある。北海道における食料基地関連産業は、これまで北海道の豊富な資源を活用して発展してきたが、国際化などの情勢の変化があり、海外の資源を活用しながら産業基盤を維持してきた。港湾は外国との貿易のゲートウェーであり、歴史的な情勢の変化に伴って食料基地の支援する役割も変化してきている。現在では、港湾は食料を生産するための基礎資材を取り扱うためのターミナルや生産物を保管したり輸送するためのターミナルとして利用されており、食料基地としての機能を様々な角度から支援し、食料基地北海道を支える重要な役割を有している。そこで、本報告では、食料基地を支える港湾機能の実態を整理するとともに、各港の食料基地支援機能について検討するものである。 |