サロマ湖は、紋別市と網走市のほぼ中間のオホーツク海に面した場所に位置し、面積152Km2を有する北海道で一番大きい湖である。また,海水と淡水が入り交じる汽水湖であるため、自然条件が適しているホタテ、かき等の養殖が盛んに行われる道内有数の漁場である。しかし、冬季には北風と共に流氷が押し寄せ、湖口より湖内へ流氷が流れ込み、度重なる養殖施設などの被害が発生したため、防氷堤の建設が進められている。この防氷堤はアイスブームと呼ばれ、流氷を堰止めるワイヤー状のブーム部とブームを係留する杭部により構成され、流氷流入期以外の期間は漁船等の航行に支障とならない様、また、ブームに付着する生物の脱落による水質環境の悪化を最小限にするため、別に設ける施設に保管しなければならず、年間2回の脱着が必要である。しかし、現在の脱着作業には起重機船等の大型作業船が必要で、外海の潮位変化に伴う潮流が発生しすることにより、干・満潮時の流速が低下する短時間に脱着を行なわなければならなず、また、ブーム構造も特殊であるため作業効率が悪い状況となっている。そこで、安全且つ効率的にアイスブームの脱着が可能な防氷堤維持管理装置の開発を行ったので報告する。 |