公共事業を取り巻く環境は近年大きく変貌しており、特に品質確保・向上と建設コスト縮減の要請、高度情報化と国際化の4つの影響はこれからも大きいと考えられている。このような変化に対応するため、公共発注機関では、ひとつの公共事業全体をプロジェクトとして管理する意向を強めている。建設CALS/ECは、このプロジェクト管理の推進を図る上で不可欠なものとして考えられている。建設省をはじめとする公共発注機関では、公共事業の全段階における情報の電子化が不可欠であり、その効果も大きいことから、公共事業に建設CALS/ECを導入することに決定された。建設CALS/ECの整備目標の一つには、設計・積算についてCADデータからの自動積算の実現がある。この中には、CADデータの交換標準フォーマットの開発があり、この標準フォーマットにより、数量の自動集計、さらには自動積算に移行しようとしている。このような建設CALS/ECの動向をふまえ、現状のCADなどの利用状況について、札幌道路事務所監督員、現場代理人にアンケート調査し実態をとりまとめた。その結果、建設CALS/ECが普及しても電子化できない地盤調査や施工時の現場計測についての重要性がわかってきた。このため上記をふまえた今後の工事管理に関する一提案を行うものである。 |