人間は地上に生を受けた時から、あるいは人類に歴史が始まって以来、色の世界に住んでいるといえる。環境を構成してきた色・形が変化すると、私たちはそれまでと違った新しい刺激を受ける。色彩は私たちが生活している風土や気候、あるいは文化の問題まで含めて、私たちの感性と非常に密接な関係を築いてきた。日本はイギリス・フランス等と同じく色を細かく使用して、自然や風土の影響によって、発散というよりむしろ求心的な感性が形成されてきたと考えられている。このように日本においても、様々な要素の違いにより特徴のある色彩計画が行われてきた。特に最近では、景観との関係に配慮しながら色彩計画を進めている状況が一層強まってきている。このように施設を計画する上で、色彩は周辺との調和において個々の表現以上に特に重要な要素で、身近な地域の傾向を把握することが今後も更に重要な要素となると思われる。本研究では、従来から言われている『北海道らしさ・地域らしさ』というキーワードと一般的に言われている色彩環境との関係等を旭川市内中心部付近の主な施設に限定して、現状がどのような色彩となっているかを調査し、その結果をデータベース化することで、今後の施設計画の参考とすることを目的とする。 |