今後の超高齢社会では、高齢者や障害を持つ人々といった移動制約者の社会参加が自然となるような施設整備が必要と考えられる。特に、歩道の整備は徒歩が移動の基本であることから、歩行や車いす等の移動上の障壁を取り除いた整備が求められており、このことが人に優しい道づくりにつながるといえる。既に、北海道開発局では、「一人に優しい道路整備を目指して-歩道等整備ガイドライン(案)および平成11年9月の建設省通達「歩道における安全かつ円滑な通行の確保について」に基づき歩道のバリアフリー化を行っているが、横断的な民地側と車道側の取り合い高さや縦断的な歩車道の高さ等から標準勾配確保の不徹底、道路利用者や地域住民とのコンセンサス不足から工事に対する不理解といった問題が発生している。また、平成12年5月の「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」公布により施設整備には、これまで行ってきたバリアフリー化の推進と市町村や交通事業者との連携強化が必要となってきた。本研究では、現在取り組まれている個別整備事業に対する利用者の評価や問題点・課題を検討し、「歩道整備ガイドライン(案)」では示されていない設計上の留意点を示すことを目的とする。また、今後の移動制約者に配慮した道路整備に関連する法律として、平成12年5月公布、11月施行となった交通バリアフリー法の内容も紹介する。 |