近年、スタッドレスタイヤの普及により、冬期間の北海道では各地にミラーバーンと呼ばれる非常に滑りやすい氷結路面が発生するようになった。この氷結路面は、スリップ事故や交通渋滞等を招くことから社会問題とまでなっており、早急な対策が求められている。このような氷結路面への対策の一つとして、ゴムチップ成形体を用いた弾性舗装材が考案されている。このゴム弾性舗装材の特長は、一般のアスファルト舗装材に比較して大きなたわみ性を有していることであり、そのため路面に形成した氷膜に対して優れた破砕効果を示す。また、この舗装材の原料としては、廃タイヤからリサイクルされたゴムチップが使用されるため、毎年多量に発生する廃タイヤを有効利用できるとともに、LCC(トータルコスト)および騒音等を低減する可能性をもつ舗装材料としても期待されている。開発土木研究所では、このゴム弾性舗装材に注目し、その効果や適用性についてこれまでに様々な実験を実施してきており、角山実験場での試験施工も含め、産・学・官の共同研究によりその開発を進めてきた。本年度は、構造系としてインターロッキングブロック形式を採用したゴム弾性舗装材を対象として、その材料性能、接着性、施工性および耐久性等を調査するために除雪試験等の各種試験を実施した。本報告では、これらの試験結果およびその有効性について報告する。 |