本論文は、一般国道における横断歩道橋撤去後の対策について、地域住民とともに検討を進めたPI活動について報告するものである。PI(Public Involvemet)活動とは、計画等の策定に際して、広く住民の意見・意思を調査する時間を確保し、かつ策定の過程を知る機会を設けたもので、住民参加手法の一つである。対象となった歩道橋は、昭和46年に設置された「一般国道5号富丘横断歩道橋」および昭和44年に設置された「一般国道36号月寒横断歩道橋」である。両歩道橋はいずれも長年にわたり地元住民等より撤去が要望されており、これまでにその撤去・存続について、地元独自の継続的な取り組みが続けられてきた。このような経緯を受け、平成11年には地元住民、学識経験者、関係機関からなる検討会を設立し、その対策について多角的な検討を行った結果、撤去は妥当であるとの合意に達し、平成12年6月に両歩道橋の撤去工事が実施された。今回の取り組みは、両歩道橋の撤去に際し、交通安全に配慮した新たな施設づくりと、地域としての今後の交通安全対策活動の推進について、地域住民の意向を対策に反映させるとともに、地域の自主的な交通安全活動への展開を喚起することを狙いとしてワークショップ形式による検討を行ったものである。 |