本報告は「国営総合農地防災事業富士見地区」(調査3年目)の泥炭土壌で置土試験を行ったもので、昨年に引き続き第2報として報告する。富士見地区の農地は、泥炭土壌に起因する地盤の沈下から、基幹排水路の機能が低下し、湛水及び過湿被害が生じ農作物の生育不良が発生している。また、地盤の沈下に起因して、埋木の露出や不等沈下による不陸から農地の排水不良や農作業機械の破損等、営農作業の能率低下等が発生しており、農業生産の大きな阻害要因となっている。これらは従来の営農対応では、被害防止が困難であるため、農用地及び農業用施設の機能を回復し、その被害を防止することにより生産性の維持及び農業経営の安定化を図ることを目的とした「国営総合農地防災事業」の実施が急務である。置土工は、農用地の機能回復を図るため、近傍の土材料を用いて地盤の嵩上げを行い、湛水及び過失被害を防止するものである。計画にあたっては、必要最低限の置土厚とするため、置土の荷重載荷の違いによる泥炭地盤の沈下量を確認する必要がある。そこで、平成10年度に設置した試験圃場(置土厚0.30m・0.75m・1.20m、)の沈下量観測データを基に沈下解析を行うとともに、新たに平成12年度に試験圃場(置土厚0.90m)を設置し、平成10年度・11年度・12年度置土試験調査結果より沈下量算定を行うための換算式を求める。 |