近年、物流ニーズの高度化、多様化により、ジャストインタイム方式に代表されるように厳しい条件を求められることが一般的となっており、国内物流はより迅速、正確且つ効率的な輸送形態へと移行しつつある。その輸送形態のひとつとして、長距離輸送の場合、船舶、鉄道、貨物トラック等の複数の輸送機関を組み合わせて目的地まで貨物を輸送する複合一貫輸送が行われている。特に、海によって隔てられた北海道と道外間輸送においては、貨物をユニット化して貨物トラックと船舶を組み合わせた輸送形態が非常に重要な位置付けにあり、海上輸送においては貨物トラックが直接乗り入れ可能なフェリーおよびRORO船が主に利用されている。関東等の大消費地と北海道の間の貨物輸送を考える場合、両地域は地理的に離れており、また、北海道の広さに伴い陸送距離が相対的に大きいことも相俟って、北海道は他府県よりも産業全体における物流の負担が大きいと考えられる。このため北海道産業の競争力向上のためには、物流の高コスト構造の是正が不可欠とされる。本研究は、フェリーとRORO船を利用した内貿ユニット貨物輸送について統計データからその流動特性を明らかにするとともに、アンケート調査およびヒアリング調査により内貿ユニット貨物輸送に関わる各事業者の行動決定の要因を分析し、北海道と本州間の内貿ユニット貨物複合一貫輸送における全体構造の把握を行うものである。 |