北海道の生活基盤に影響を与える震源域は、 地域ごとに詳細に分析すると、 活発な地震活動の中でも強弱があり、 歴史的に見ると規模の大きい地震が発生していない地域もある。 また、 地震被害という指標を用いると、 同じ地震に対しても被害の分布は地域ごとに異なる。 そこで、 著者らは、 北海道における構造物の耐震設計、 および既設構造物の補修・補強方法の合理化を目指し、 北海道の地域特性を考慮したサイスミックゾーニ
ング (地震危険度の地域区分) を行うための基本検討を実施している。 本論文では、 2003年9月26日に発生した2003年十勝沖地震(Mj8.0)に着目し、 その地震動評価を実施した。
その結果、 サイト特性が地震動の広がりに大きく影響を与えること、 特に速度分布においては、 震源距離200㎞を超える勇払平野で大きな速度増幅が有り、 また、 地震動の継続時間が非常に長くなっているなどの特徴が確認出来た。 また、 道路橋示方書・同解説に示されている地域区分のAにおける地震動の周波数特性においては、 応答スペクトルの地盤種別による共通性が明瞭ではなく、 ここでもサイト特性に大きく影響を受けている
ものと推察出来た。 |