シンボルマーク独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 付加体地域の道路斜面のみられる岩石の風化形態とその考察 ~常呂帯仁頃層郡分布地域での調査実例~

作成年度 2006年度
論文名 付加体地域の道路斜面のみられる岩石の風化形態とその考察 ~常呂帯仁頃層郡分布地域での調査実例~
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名(No./号数) 寒地土木研究所月報第636号
発表年月日 2006/05/15
所属研究室/機関名 著者名(英名)
防災地質チーム岡﨑 健治(OKAZAKI Kenji)
防災地質チーム伊東 佳彦(ITO Yoshihiko)
愛媛大学理学部 地球科学科 教授榊原 正幸(SAKAKIBARA Masayuki)
国土交通省 北海道開発局 網走開発建設部  定道路事業対策官((前 地質研究室副室長))中川 伸一(NAKAGAWA Shinichi)
防災地質チーム日外 勝仁(AGUI Katsuhiko)
抄録
粘土鉱物であるスメクタイトは吸水膨張等により岩石の劣化を促進させるため、その分布や性状を把握することは、道路斜面の安定性の評価や斜面対策の実施上、きわめて重要である。付加体の緑色岩中にはスメクタイトを含む場合があるが、その形成及び風化過程は十分解明されていない。今回、緑色岩における同過程の解明を目的に、詳細なコア観察とX線回折分析やEPMA等による鉱物試験を一般国道333号の斜面で掘削されたボーリングコアを対象に実施した。地質は付加体である常呂帯 仁頃層群の緑色岩類である。  調査の結果、同緑色岩は新鮮部においてもスメクタイト成分を含む緑泥石が確認され、地山深部のせん断面沿いでは緑泥石中のスメクタイト成分が多いことが判明した。さらに、地表付近では、スメクタイト成分の増加は4面体及び8面体イオンの減少によって進むのに対し、せん断面沿いでは層間陽イオンの価数増加によって進むことが判明し、両部分では岩石の風化過程が異なることが判明した。  以上のことから岩盤劣化の過程は次のように考えられる。緑色岩にはスメクタイト成分を含有する 多数の潜在せん断面が分布しており、地山の隆起等で地表に近くなるとせん断面が顕在化する。そして、スメクタイト化が急速に進行し、他の岩盤より地山深部まで急速に劣化が進む。このことが付加体緑色岩地域の斜面の劣化過程、さらには岩盤崩壊機構を規制していると考えられる。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.