本研究は、北海道の区画線の塗り替え基準を作成するために、区画線の維持管理の現状把握、通過
車両の走行位置測定、一般ドライバーによる区画線の視認性評価実験、区画線の耐久性試験を行った。
視認性評価実験は、苫小牧寒地試験道路において、実走行やCG 動画による区画線視認性の評価、
CG による道路交通環境要因の影響評価を行い、価格感度測定法やコンジョイント分析により道路利
用者が受容できる外側線の限界ランク1.7 ~2.2と適正ランク2.3 ~2.6を得た。また、平均重要度は、「時
間帯」、「天候」、「道路構造」、「沿道環境」の順となった。これらの成果から、交通量を5段階に分け、
評価ランクを1.8から3.9まで塗り替え基準を作成した。塗り替え基準を運用するために、判定ソフト
ウェアを開発し、塗り替え判定作業の運用方法を取りまとめ、区画線維持管理ガイドライン(案)を作
成した。塗り替え判定ソフトウェアは、区画線をデジタルカメラで撮影し、画像処理からはく離度を
判定する手法を開発し、120サンプル中114サンプルで、誤差10% 以下の精度が得られ、非常に正確
度が高い、実用に十分なソフトウェアを開発することが出来た。
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