北海道は積雪寒冷地に位置しており、例年11月から3月までの5ヶ月間に亘り、降雪が記録される。そのため、路面は通常は乾燥状態であるが、冬期間には頻繁に圧雪状態になる。道路利用者に対し、よりよいサービスの質を提供するために、既設の2車線道路から、付加車線を設置した「2+1」車線道路へ改良する手法が、導入されている。本研究では、積雪寒冷地における地方部の2車線道路を対象とし、付加車線を導入した「2+1」車線道路の設置効果を評価するために、交通流ミクロシミュレーションプログラム「SIM-R」を用いて感度分析を行った。その設定条件として、対象とした路面状態は、乾燥路面と圧雪路面の2条件とした。時間交通量は、100 ~1,000台/時で変化させた。評価指標としては、平均旅行速度、追従車率、追従車密度を用いた。その結果、時間交通量が増加するに従って、平均旅行速度は低下し、追従車率と追従車密度が増加することが明らかになった。また、道路性能は、乾燥路面と比較して圧雪路面では低下することが確認できた。付加車線を一定間隔に設置することにより、乾燥路面並びに圧雪路面共に、2車線道路のサービス水準が向上することが明らかになった。
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