北海道は1993年1月の北海道釧路沖地震に始まり、同年7月北海道南西沖地震、翌1994年10月に北海道東方沖地震とマグニチュード8クラスの地震を連続して受けてきた。この三大地震の発生に対して開発土木研究所構造研究室では北海道における地震防災対策を研究してきた。構造研究室では検討した対策の一つであるオンラインデジタル強震計の開発、運用を行い、その有用性と必要性、地震情報ネットワーク展開の重要度を認識した。さらに、1995年1月兵庫県南部地震により全国的にも地震災害情報ネットワークの重要性が認識されてきている。北海道開発局構造研究室では以上のような理由により必要とされている新しい地震情報伝達システムの開発を検討してきた。本論文はこれを報告するものである。[*]オンラインネットワーク化は、データ取得の迅速化、公共施設管理者がデータの共有、情報連携を行うことが可能となることより被害を最小にすることが期待される。また、他の機能として波形データ取得、波形表示、解析、解析結果提示等の一連の作業を自動化することができ、今後の道路、河川構造物設計や施工法の検討等に有用なデータとして活用可能なことも大きな特徴である。 |