平成6年2月の道路橋示方書の改定に伴い、橋梁設計活荷重が38年ぶりに大幅に見直し改訂された。ゲルバーヒンジ部は、従来から構造上弱点として様々な問題が指摘されている部位であり、設計活荷重増大の影響が最も大きいものと懸念されている。桁切欠き部付近では、せん断力が大きくRフランジタイプより割り込みフランジタイプの方が構造的に有利であるとの報告もされているが、昨今の車両の大型化を考えれば、桁切欠き部に発生するせん断力が増大することになり桁切欠き部が損傷を受ける危険性が大きくなる。[*]そこで、割り込みフランジを有する桁切欠き部の耐荷力の判定と補強対策について検討するため、一般国道451号石狩橋において実橋載荷試験を行い実応力の計測を行った。[*]本文は、実橋載荷試験(静的載荷試験)とFEM解析結果の比較に基づきゲルバーヒンジ部の有効な補強対策について報告するものである。[*]この結果からFEM解析は実橋載荷試験の結果とよく整合しており、補強対策を計画する場合解析値に従って良いこと、補強範囲については、最大せん断応力を受ける構造部位のみの補強で応力集中を改善することは難しく、補強フランジを設置することで応力集中を効果的に低減することなどが確認された。 |