| 最近では、構造物の固有周期を長周期化することと、エネルギー吸収性能を向上させることによって地震力そのものを低減させ、構造物の相対的な抵抗力向上を図る耐震設計が用いられるようになってきている。道路橋にこの免震設計を適用する場合には、橋脚や橋台上の支承部分という常に外的気象条件にさらされ且つ、極めて限定された設置空間で機能を発揮し得る装置が必要となる。特に北海道のように地震が多い地域で、冬期に－30℃にもなる地区では、その設置環境でも安定してその性能が発揮される免震装置の開発が求められている。本論文では、これらの条件を満足する温度依存性の少ない機械式の免震装置を取り上げ、縮小要素による性能試験を実施し、その結果を報告する。［＊］今回の実験では、復元力を幾何形状により発生させ、且つ環境温度の範囲では性質がほとんど変化しない材質で作られた免震装置について、その基本性能を把握し、また性能の非温度依存性についても確認することができた。また、回転板を分割して中にゴムを挿入した場合にもゴムの密閉性により一体型と変わりのない結果が得られた。今後実用性を見いだしてゆくために、さらに回転板の形状等に変化を加えデータの蓄積を図る必要があり、今後の課題とする。 |
