本報告は、北海道の3大地震記録データと道路構造物の被害から得られた地震動の推定加速度、推定速度、及び推定変位と、被害状況の相関について検討したものである。[*]この結果から道路構造物被害と地形分類の相関は、全体的にまだ低いものと考えられるが、釧路沖地震については30%強の結果であることから、ある程度の相関を得られたと推察される。また、表層岩石区分との相関については、全体的に20%強の結果であるのに対して、東方沖地震では2倍程度の50%弱の相関を得られたことは、ある程度の相関が得られたと考察される。一方、土壌統計群との相関については、3大地震の中では南西沖地震が最も相関が高い結果であるが、的確な数値計算的根拠を導くことができなかった。[*]この解析に用いた強震記録は、橋軸方向の最大地震動であることから、橋軸直角方向と上下方向の最大地震動の記録も適用し、推定距離減衰式を導いて検討することが今後必要とされる。また、被害に関する情報として、被害箇所の盛土と斜面の物理条件、その箇所の周波数特性を考慮した解析的条件、被害発生した構造物の固有周期、などを加味した指標を検討することが重要であると推察される。 |