灰色低地土のA圃場(豊頃町)で暗渠排水と心土破砕を併用した3試験区(4ヵ年:30回)、B地域(豊頃町)の灰色低地土の2圃場(湿性大(G区)および湿性小(g区))での暗渠排水(1ヵ年:6回)、および疑似グライ土のC圃場(雄武町)で、暗渠排水と有材心土破砕(貝殻(S区)、貝殻粉末とバーク堆肥の混合物(M区))を併用した2試験区(2ヵ年=11回と15回)、合計7試験区の排水水質を調査した。1)AおよびC圃場では、試験区により降雨後の地下水位が異なり排水性の相違を示していたが、各試験区の排水の平均pHおよび平均ECは各圃場で近似し、両項目の排水工法による差異は小さかった。2)A圃場排水の主要溶存塩はNa(Ca,Mg)SO4であった。3)C圃場では主要溶存塩はCacO3で、平均Ca濃度は、A圃場やB地域の平均濃度よりもはるかに高く、有材心土破砕に使用した貝殻に由来するもとと推定された。4)C圃場M区排水の平均K濃度および平均P濃度はS区より高く、有材心土破砕に使用したバーク堆肥に由来するものと考えられた。5)B地域で、G区排水の平均pHはg区と等しく主要溶存塩はNaClであった。G区での平均EC、PおよびNH4+-Nの値はg区より大きく、NO3--Nは逆であり、還元の影響が示唆された。 |