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発表 魚類等の生息空間における流氷の空間特性に関する研究

作成年度 1997年度
論文名 魚類等の生息空間における流氷の空間特性に関する研究
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名(No./号数)
発表年月日 1998/01/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
河川研究室巖倉 啓子(IWAKURA Keiko)
河川研究室馬場 仁志(BABA Hitoshi)
抄録
生物の生息環境にとっては、流水の状態および流水空間の多様性が重要な生活環境の形成要素であり、特に魚類の生息に関しては、水面上のカバーや低質状況を含めた微環境とその配置様式が大きく関与している。しかし、微環境における流れの状態とその配置様式を、生物生息環境に作用する機能に着目して計測した例は少なく、複雑な流れを捕捉可能な次元の高い計測技術が求められている。[*]本研究は、流水中に生息する魚類・底生動物の生活環境を決定する流れの理学的構造を空間的に計測し、その特性が生物生息環境のなかでどのような機能を有しているかを解明することを目的とし、北海道内の13河川における魚類・底生動物の生息実態調査および流況測定結果と、豊平川における魚類生息環境調査と乱流および動水圧の測定結果から、魚類や生物の生息環境と流れの多様性との関係について分析したものである。[*]流れの多様性を形成する要素のうち、流速、水深に関する空間的な評価を試みた結果、ウグイの生息密度に関して、水深幅、流速幅が大きい場合に生息密度の高い環境が観測された。同様に底生動物に関して比較した結果、水深幅、水流幅とも、一定の限定された条件に底生動物の生息密度の高い環境が出現している。[*]魚類の行動範囲で速度の3次元計測と動水圧の測定を行った。その結果、流速ベクトルの微細な空間的変動や動水圧の空間分布が、魚類の行動に密接な関係を有していることが推察された。魚類が流れの上流向きにホバリング中の空間周辺では、遊泳地点の流速、流速ベクトルの変動は周囲より小さい。また、魚類ホバリング中の空間における動水圧のパワースペクトル密度は1~20ヘルツ付近で周囲の密度より小さく、スペクトルの傾きは-1程度であり、周囲の乱流部分では-1.5~-2.0程度であった。
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