土地改良事業の工事では、表土扱い・掘削・埋戻し等の運土作業で耕地土壌が練返しや圧縮を受け、営農上の支障(過湿・過干被害や適期農作業ができない)をきたす場合がある。これらの障害をバーク資材の添加により回避する可能性を探るために実験を行った。実験は、バーク資材添加および無添加の土壌試料を突固め、容積重と孔隙分布の変化を分析するもの(一回の突固め試験)と、一度突き固めた試料を細塊化してバーク資材を添加し再び突き固めて容積重・孔隙分布の変化を分析する(再突固め試験)2種を行った。一回の突固め試験の結果1)容積重:表土・下層土とも、突固め時の土壌水分や回数に拘わらずバーク資材の添加により容積重は減少した。2)孔隙特性:①粗孔隙:表土は最適含水比付近を除いて資材の添加により粗孔隙が増加したが、下層土では明らかな差はなかった。②易有効水分孔隙:表土・下層土とも、資材の添加による明らかな差はなかった。再突固め試験の結果資材添加後の突固め回数が少ないほど容積重は少なく・粗孔隙量は多かった。このことから、圧縮された土壌でも、細塊後にバーク資材を加えることにより土壌物理性改善の可能性が示唆された。これらの現象は、土壌の最適含水比より乾燥側で顕著であった。 |