| 本研究は、兵庫県南部沖地震のような内陸直下型の衝撃的な地震動に着目して、そのような衝撃的荷重を受けるRC橋脚の動的挙動、加速度応答などについての実験的研究である。実験に際し、衝撃的な地震動を実験により再現するために、緩衝材を有する反力壁に衝突させて橋脚基部への加速度の入力を行う。そのときの橋脚フーチングのロッキング振動を極力抑えるため、無限地盤を仮定した広範囲で大重量の架台を製作し、その上に橋脚模型を固定することとした。実験の結果、橋脚の応答加速度はその損傷とともに応答倍率が低くなり、変形についても自由振動が1方向にシフトする。振動モードは損傷がない場合は剛体モードで損傷が進展すると角折れモードとなる。変形が最大を迎えるのは、応答加速度が最大となるときに基部入力加速度が急激に減少するときで、加速度が相対的に大きくなる強制変位的なモード状態であり、この状態が橋脚断面力が最も大きくなるときと考えられる。時刻歴の荷重－変位曲線は、静的交番載荷の履歴曲線と比較的近似した形状となり、衝撃的な地震動を基部に載荷した場合と、静的載荷の強制変位をかけた場合が、載荷時間は異なるものの近似した載荷方法であると考えられる。 |
