現在道路端末用緩衝材は、橋梁の端末やトンネル坑口、分離帯等に数多く設置されている。しかしながら、近年の道路交通網の高速化により、死亡事故も増加傾向にあるのが実態であるともいわれている。[*]著者らは、過年度にわたり、これら緩衝材について研究し、新たな緩衝材を開発するとともに、その緩衝性能評価を行ってきた。本論文は、著者らが開発した緩衝材、(自動車用緩衝ドラム)の静的載荷実験を行いその緩衝性能を検証すると共に、過年度に行った実車衝突実験結果も含め、エネルギー吸収特性の把握を行ったのでそれを報告するものである。[*]新しい自動車用緩衝ドラムについて静的載荷実験、実車衝突実験を行った結果、静的なエネルギー吸収率については既存の緩衝材の30倍以上、動的実験結果についても、既存の緩衝材と比較し車両加速度、車両変形量を約0.7程度に低減することが出来た。今後は、速度条件、載荷方向などの異なった条件による実験を重ねていく予定である。[*]また、対象となる車両の形状等によっても緩衝材の性能発現が大きく異なると想定されることから、衝撃解析等、各種解析による、総合的な緩衝性能の評価を行い、設計等に活用していきたいと考えている。 |