北海道の冬期道路では、雪氷路面や視界不良等によって事故が多く発生しており、従来から防雪柵や防雪林等による対策が行なわれてきたが、さらに効果の高い新たな対策手法の開発が望まれている。このため開発土木研究所では、降雪や吹雪等によって十分な視界が得られない条件下でも、前方道路上の障害事象、(停止車両や事故等)を検知可能なミリ波レーダ技術に着目し、後続車両に危険警告を行ない事故を未然に防止する安全走行支援システムの開発を民間4社と共同で行なった。[*]ユーザー二ーズ調査(アンケート)結果に基づき、冬期道路での安全支援場面を検討した結果、「平坦路」、「トンネルや交差点」、「高規格道路の分岐・合流部」の3場面について障害物検知が有効と考えられ、システムの研究開発に着手した。[*]交差点にて行なったミリ波レーダによる障害物検知、情報板への情報表示、通信回線による遠隔制御、遠隔監視実験では、99%以上の検知判別精度、完全な遠隔監視動作等、十分に満足できる結果が得られた。また、ミリ波レーダと、赤外線カメラ、可視カメラの検知デー夕の統合処理による検知精度向上実験では、視程良好時から視程10~20mの猛吹雪の条件まで、車両の検知に成功した。 |