| 北海道の冬期道路では、滑りやすい雪氷路面や、吹雪や雪煙による視程障害を原因として、交通事故が多く発生している。特に視程障害時の事故は、後続車からの発見が遅れやすく。多重衝突事故に発展する事例も少なくない。また、多重衝突事故は、長時間にわたり道路交通に障害を生じさせ、社会生活に与える影響も非常に大きい。このため、防雪柵や防雪林等、防雪施設の整備が行われてきているが、非常に厳しい気象条件や、用地上の制約等から従来の手法では十分な効果が得られない場合があり新たな対策手法の開発が急務となっている。[*]開発土木研究所では「冬期道路の安全走行支援システム」の開発に関する研究を民間9社と実施し、この中で吹雪等により視界が悪い中で、前方の障害物を検知し、この情報を後続車に伝え、事故を防止するシステムの開発を行った。本報告ではアンケート調査からシステム設置場面を検討し、平坦路、トンネル及び交差点、高規格道路の分岐・合流部用のシステムと発展応用型の「複合センサー・システム」を開発し、検証実験を行った結果について報告する。実験の結果、ミリ波レーダによる車両検知は概ね実用化が可能な水準にあることがわかり、実用化に向けた検討を今後も行いたい。 |
