これからの北海道農業の進展に必要な農地整備工法(暗渠排水、心土破砕、客土・置土、土壌圧縮対策等)を開発するため、従来工法の課題を明らかにするとともに、望ましい工法や施工手順等を提案した。[*]1)暗渠排水の機能低下の主原因には①埋戻し部の透水不良と②暗渠管内の堆泥による閉塞が有り、①に対しては掘削部の埋戻しに火山砂礫や砂、チップ等を用いる疎水材型暗渠を、②の鉄を主成分とする堆泥に対しては、鉄堆泥の生じ難い条件を明らかにし、とすることを提案した。[*]2)客土・置土の目的として収量の向上だけでなく、農作業性の向上や品質の向上もあることを明らかにした。客土・置土作業では土壌が圧縮されるため、排水や暗渠排水効果の低減が生じることも明らかにし、その対策を提案した。[*]3)泥炭地における客土・置土での、置土層厚、泥炭層厚および泥炭層の含水比による概略的であるが、簡易な沈下量推定法を提案した。[*]4)火山性土と重粘土での土壌圧縮の程度を試験し、①最適乾燥密度よりも多水分で圧縮され易い事、②バーク資材添加による効果は粗孔隙で易有効水分孔隙よりも明瞭なことを明らかにした。[*]5)上記の成果については、今後、執務参考や指針等として現場で活用できるようにする方針である。 |