北海道開発局が管理する高規格幹線道路では,高速走行時の安全性を考慮して,排水性舗装が用いられてきた.
排水性舗装は,表面のきめが深く,排水機能を有しており,ハイドロプレーニング現象の発生の抑制,視認性の向上,氷膜路面時などの路面のすべり抵抗の向上といった効果が確認されている.
しかし,長く供用された排水性舗装区間の一部で,タイヤ走行部や橋梁ジョイント接続部などにポットホールやひび割れ,骨材飛散などの破損が多発し,走行性の機能が低下している状況にある.また,補修作業にかかる費用や,透水機能の確保のため冬期路面管理にすべり止め材を使用することができず,凍結防止剤を散布するなどの日常の路面管理費用にも負担が生じており,維持管理費の抑制が必要とされている中,大きな課題となっている.
そのような現状から,北海道の高規格幹線道路等の舗装構成について,品質向上,コスト縮減等の検討を目的として,平成22年に「積雪寒冷地における舗装技術検討委員会」(北海道開発局主催)が設立された.その中で,現状で必要とされる,
①雨天時の安全な高速走行性能を有し,空隙詰まりなどの経年による性能低下が少ない.②冬期の除雪をはじめとする路面管理による破損などの影響を受けにくい.③十分な耐久性能を有する.という性能を満足する表層用混合物の検討が行われ,平成26年7月に「北海道型SMAの施工の手引き(案)」がとりまとめられ公表された.
本文は北海道型SMAの機能や耐久性に関する室内試験や試験施工箇所などで実施した屋外調査の結果を報告するものである.
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