アスファルト廃材の地盤材料としての適用性を確認することを目的に、アスファルト再生骨材単体、笠岡粘土単体、両試料の重量比1:1混合物の3種類の試料に対し、突固めによる土の締固め試験、一軸圧縮試験、コーン貫入試験、衝撃加速度試験等の力学試験を実施・検証を行ったところ以下の知見を得た。
(1) As50%混合試料の締固め曲線は、As100%と笠岡粘土の中間的な特性を示した。
(2) 各供試体に、締固め度管理の適用性があることが示唆され、土工材料としての活用可能性がある。
(3) アスファルト再生骨材と笠岡粘土を混合して締固めた場合、各々の試料単体で締固めた場合に比べて、最大乾燥密度時の飽和度が低くなり、空気間隙率が高くなった。
(4) コーン貫入試験および衝撃加速度試験ともに、締固め度と正の相関がみられ、通常の盛土材と同様の施工管理が可能と考えられる。
(5) 山中式土壌硬度計についても、締固め度に対して一定の相関関係がみられるが、粗骨材による貫入障害に留意する必要がある。
(6) As50%試料の一軸圧縮強度に締固めによる強度増加がみられた。
(7) 養生期間による強度増加はみられない。
(8) 笠岡粘土へのAs再生骨材の混合で、明らかな強度低下は見られず、強度増加する傾向にある。
(9) As50%試料を60度で加熱した場合、一軸圧縮強度の増加傾向がみられた。
(10) As100%試料の供試体については、一軸圧縮強度と締固め度の関係は明確にはならなかった。
(11) As再生骨材混合による強度増加は、最適含水比よりも低い状態において顕著になるものと考えられる。
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