北海道開発局が管理する高規格幹線道路では,高速走行時の安全性を考慮し,排水性舗装が用いられてきた.しかし,長く供用された排水性舗装区間で,タイヤ走行部や橋梁ジョイント接続部等にポットホールやひび割れ,骨材飛散等の破損が発生し,走行性が低下する状況が散見される.そのような
現状から,高速走行時の安全性を確保する機能を保ちつつ,十分な耐久性能を有する表層用混合物として,北海道型SMAが開発され,施工実績が増加している.
北海道型SMA は,表面に近い部分は排水性舗装に似たテクスチャを有しつつ,内部は密実な構造を有しており,表面機能と耐久性を併せ持った混合物である.したがって,走行安全性等の機能性確保の観点からは路面テクスチャ,耐久性確保
の観点からは密度・締固め度が重要となる.これらの品質を満足させるためには,混合物の材料,配合設計,施工の各段階において十分な検討が必要であり,特に施工段階における転圧は,大きな影響を与える.しかしながら,路面テクスチャと密度および締固め度の関係については不明確な点があり,北海道型SMA の適切な施工方法を検討する上で,両者の関係を明らかにすることが必要である.
そこで本論文は,苫小牧寒地試験道路において複数の転圧条件を設け試験舗設を行い,路面テクスチャと密度・締固め度の関係を明らかにした. |