道路防雪林は、吹雪による道路上の吹きだまりや視程障害を緩和する防雪施設である。
防雪林では通常樹高30cm程度の苗木が植栽され、植栽直後から成林するまで長期間にわたる管理が必要となる。
防雪林の管理において、生育状況 (遅い、早い) の判定、間引きの時期などの維持管理計画の立案を行うが、この判定や計画において標準的な樹木の生長実績を用いることが必要となる。しかし生育環境が特徴的な防雪林では生育環境や維持管理目標が異なることから、一般林業のものを適用することは難しい。
開発土木研究所 (現 寒地土木研究所) は1994年に北海道内における54箇所の道路防雪林で樹高、枝張などを含めた生育状況を調査している。これらの調査を行った防雪林では、現在林齢が20~30年程度に達していることから再度現況の調査を行い、得られた樹木データを加えて、防雪林構成種の林齢と樹高、枝張等との関係について整理を行った。
その結果、道路防雪林の樹高生長においては、
1) 植栽直後の生長抑制期間が比較的長いこと
2) それ以降は林齢30年程度までの範囲で線形的に伸長すること
3) 防雪林に使用される主要樹種の中ではヨーロッパトウヒの樹高伸長がトドマツ、アカエゾマツに比べて6割程度早いこと
さらに枝張りの拡大においては
1) 樹高の伸長とともに枝張りの拡大が見られること
2) アカエゾマツにおいては、樹高5m程度を境に枝張り拡大が鈍化すること
などが明らかとなった。 |