北海道の国営農地再編整備事業における面工事での情報化施工の導入状況について、平成27年度に北海道開発局で行った調査のデータを考察すると、施工管理の重要部分やマシンガイダンス(MG)、マシンコントロール(MC)といった施工への活用はまだ少ないことがわかります。その理由としては、導入コスト、状況に応じた設計データの変更、大きなミスの防止の3点が考えられ、それぞれに改善や工夫が望まれました。
一方、資源保全チームでは、泥炭や重粘土といった特殊土壌で、ブルドーザ等重機作業による練返しなどに伴う透水性の悪化を抑制して良好な排水性を確保する農地整備の土工技術について調査・研究を進めており、平成28年度には、圃場内切盛作業を高さ方向のみのMGによる二次元管理で情報化施工しているものに対して、GPSを使ってブルドーザの水平面上での走行軌跡を割り出し、走行負荷の度合いによる圃場の土壌物理性への影響を調べました。結果は、変状は認められず、平坦な仕上がり具合もたいへん満足のいくものでした。
この様に、熟練のオペレータでなくても手直しロスなく高品質の成果が得られる点で情報化施工の魅力は大きく、農業基盤の整備工事においても、要するコストの低減とともに段階を追って普及していくものと考えられました。 |