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発表 超音波発信機により明らかになった美利河ダム湛水域に流入したサクラマスの行動

作成年度 2017年度
論文名 超音波発信機により明らかになった美利河ダム湛水域に流入したサクラマスの行動
論文名(和訳)
論文副題
発表会 応用生態工学会第21回全国大会(ELR2017名古屋)
誌名(No./号数) 応用生態工学会
発表年月日 2017/09/22 ~ 2016/07/25
所属研究室/機関名 著者名(英名)
水環境保全チーム布川 雅典(NUNOKAWA Masanori)
水環境保全チーム谷瀬 敦(TANISE Atsushi)
水環境保全チーム柏谷 和久(KASHIWAYA Kazuhisa)
北海道開発局山本裕之(YAMAMOTO Hiroyuki)
抄録
1.はじめに  サクラマス(Onchorynchus masou)は人工放流の効果が小さいため、資源の維持増殖には河川の環境保全、とりわけ遡上および降河環境の保全が重要である。近年、魚類の移動阻害を防止するために魚道が貯水ダムに設置されている。しかし、サクラマスがダム湛水域に流入した後の行動はあまり知られていない。この点を明らかにするために、バイオテレメトリー手法を用いて移動行動を調査したのでその結果を報告する。 2.調査地および調査方法  調査地は北海道南部後志利別川に設置された美利河ダム湛水域である。美利河ダムには、後志利別川、ピリカベツ川およびチュウシベツ川が流入する湛水域が形成されている。そのため、ダム湛水域を迂回してチュウシベツ川の下流部とダム下流後志利別川とをつなぐ魚道が設置されている。また、チュウシベツ川には魚道へ流水と魚類を導く分水施設があり、この付帯施設として河川内に横断構造物(本堤と副堤)が設置されている。 湛水域における残留型サクラマス(以下ヤマメ)の行動を明らかにするため、超音波発信機を装着し、分水施設本堤の上流と、チュウシベツ川がダム湛水域に流入する流入部(以後流入部とする)においてそれぞれ20個体ずつ、2016年8月に放流した。受信機は分水施設導水路上流と魚道、チュウシベツ川流入部、ダム湛水域、後志利別川流入部およびピリカベツ川流入部に設置した。 3.結果及び考察  本堤上流における放流個体は9個体が分水施設に進入し、ダム湛水域まで降河した個体は確認されなかった(図1-A)。これまでの調査ではスモルトではあるものの放流魚の多くが魚道まで達しており1)、今回の調査も同様な傾向が認められた。  流入部における放流個体は3個体が流入河川に遡上していた。さらに、3個体は湛水域において43日から71日間滞在していた。放流された流入部で滞留する個体も7個体認められた(図1-B)。また、ヤマメの行動には河川及び湛水域ともに水位変動との関連性が示唆され、流量が十分にあれば遡上途中に存在する落差工を超えて、湛水域の個体が分水施設まで遡上できることが明らかになった。 引用文献 1)林田寿文・渡邉和好・矢部浩規:バイオテレメトリー手法を用いた小型魚の降下行動調査事例の紹介、寒地土木月報、730、pp.45-48、2014
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