平成30年北海道胆振東部地震における橋梁の被害状況を把握するために、現地調査を行ったのでその概要を報告する。この地震は2018年9月6日午前3時7分、胆振地方中東部の深さ約35kmで発生し、マグニチュードはM6.7だった。厚真町で震度7、安平町とむかわ町で震度6強を観測するなど、胆振地方東部を中心に強い揺れを観測した。K-NET追分観測点では3成分合成で1796galといった大きな加速度を観測した。道路橋の被害の概要について述べると、国道の橋梁被害はなかった。また、北海道および市町村については24件で約20億円の被害が発生した。被害形態としては、支承のサイドブロックや沓座コンクリートの破損、遊間の異常、護岸の変状、橋台の翼壁や胸壁の亀裂、ゴム支承本体の損傷が発生した。著者らのうち、寒地土木研究所寒地構造チームは9月11日~14日に、200gal以上を記録した地域を対象として58橋の調査を行った。また、北見工業大学地震防災工学研究室は9月9日、11月10日~11日に、比較的橋梁被害が多かった震源の西側を中心に28橋を調査した。本報告ではこれらのうち、比較的大きな被害を受けた7橋について被害の概要を報告するものである。 |