我が国の積雪寒冷地は,世界でも類を見ないほど降雪量が多いことが特徴である.そのような冬期間の厳しい環境下でも,一定の管理水準で道路交通を確保することが求められている.その中で,近年,雨天時の走行安全性確保に限らず,冬期路面対策も期待して施工実績が増加しているのが粗面系舗装である.粗面系舗装とは,舗装表面のきめ(凹凸)を粗くすることで,冬期路面におけるすべり抵抗の改善を期待する舗装である1).北海道開発局では,2000年代前半から粗面系舗装の一つである排水性舗装の導入が進んだ.また,近年,普及が進んでいる粗面系舗装の一つに北海道型SMAがある.北海道型SMAは,排水性舗装のような粗いきめ深さを保ちつつ,耐久性を高めた粗面系舗装であり,2017年より北海道開発局道路設計要領に反映され,北海道開発局が管理する高規格線道路や一般国道への施工が増加している.このように,アスファルト舗装の技術開発が進むにつれ,舗装の種類も多様化してきた.そのため,効率的・効果的な冬期路面管理の実施においても,各々の舗装の特性を把握することは重要である.本研究は,北海道型SMAの冬期路面管理について,一般的な冬期路面対策である凍結防止剤および防滑材の散布効果を検証した.さらに,密粒度アスファルト混合物13F(以下,密粒度13F)および排水性舗装と比較検討することで,北海道型SMAの冬期路面対策としての有効性も明らかにした. |