「道の駅」は今や沿道の快適な休憩施設としてだけでなく、重要な地域振興施設にもなっています。特に北海道では観光資源がカントリーサイドに広く点在することもあり、北海道民はもとより国内外からも自家用車やレンタカーを利用したドライブ観光の需要は大きく、「道の駅」が果たす役割は国内の他の地域よりも大きいといえます。
一方、「道の駅」に関する技術的課題は多く、寒地土木研究所では2008年から「道の駅」の計画や設計、管理手法に関する研究などを広く行っています。現在は、これまでの知見を基に「道の駅」整備効果の発現モデルやこれを基にした、「道の駅」の自己診断手法の開発に関する研究も行っています。また、自治体などから技術相談を受けたり、セミナーの講師や「道の駅」のアドバイザーなども務めています。
他方、「道の駅」は道路整備の効果を高める地域開発モデルとして、近年諸外国や国際機関から高く評価され、日本の「道の駅」をモデルとした沿道施設が各国で整備されるようになってきています。このように今後は、国外においてもその発展が期待されます。
本稿では「道の駅」に関する当研究室でのこれまでの調査研究、あるいは技術相談などを通じて得られた知見をふまえ、「道の駅」の“これまで”と“これから”についてお伝えしたいと思います。 |