我が国では沖積平野に人口の大部分が集中し,土工構造物が軟弱地盤上に構築されることが多い.軟弱地盤上に土工構造物を構築するためには,安定・沈下などの地盤工学的な課題を解決する必要があり,現在に至る迄に様々な地盤改良工法が開発,実用化されてきた.軟弱地盤対策の一つである固結工法は,他の対策工法と比較してその上に構築された盛土の早期沈下収束が期待できる半面,施工費用が割高になるケースが多いといわれている.このため,施工機械の撹拌性能の向上や改良径の大口径化,低改良率化などを積極的に推進してコスト縮減を図ってきた.
しかしながら,経済性を追求した過度に改良率を低下させた設計や施工を行った場合に,不同沈下や側方流動に伴う盛土の機能低下が懸念されることから,固結工法の経済性に資する改良形式,施工方法は今後も改善の余地があると思われる.また,土工構造物の性能設計が今後のトレンドになることを踏まえると,検討すべき作用力,特に地震動に応じて必要な要求性能を満足する地盤改良技術の確立が求められる.
そこで,筆者らは浅層混合処理と深層混合処理を組み合わせた複合型地盤改良を提案し,複合型地盤改良の動的特性に着目した動的遠心力載荷模型実験を実施した. |