本稿では、北海道の高速自動車国道(高速道)と一般国道(一般道)が並行する区間のルート(並行ルート)を
対象に、冬期の道路交通状況と気象状況に係る交通事故リスク要因の回帰分析をおこない、並行ルート間の冬期の
交通事故リスクと交通量転換との関係を考察した結果について報告する。本分析では、一般化線形モデル(GLM)
を適用して冬期の人身・物損事故件数を道路交通状況と気象状況に係るリスク要因に回帰させることにより、実務
的にも特定しやすいリスク要因を明らかにした。分析対象は、札幌市内と新千歳空港を結ぶ道央・札樽自動車道と
国道36号の並行ルートで、冬期2か年である。
結果、(1)一般道ルートの人身事故リスクはポアソン分布、その物損事故リスクは負の二項分布に従い、高速道
ルートの人身事故リスクはゼロ過剰ポアソン分布、その物損事故リスクは負の二項分布に従うこと、(2)一般道ル
ートの人身事故リスクと信号交差点密度・降雪量、その物損事故リスクとキロ当たり交通量・信号交差点密度・最
高気温・積雪深・降雪量が相関し、高速道ルートの人身事故リスクとキロ当たり交通量、その物損事故リスクとキ
ロ当たり交通量・降雪量・発生月が相関することが判明した。
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