道路や河川の掘削工事において発生した材料が不良である場合の対策のひとつとして、セメントや石灰などの固化材により改良する方法がある。この方法では確実な改良が期待できるものの、盛土の強度が必要な強度よりも大きくなる場合がある。固化して強度が大きくなりすぎると、盛土の再掘削作業が困難となったり、地盤が変状するような軟弱地盤上への施工ではこれに追随できず破壊する可能性があるなどの問題がある。このため、固化材を混合しても強度発現が抑制される材料が求められている。その方法として、固化破砕土に着目した。固化破砕土は、固化材を混合してから固化途中で破砕して作製する材料である。このため、固化材の混合量や種類、破砕するまでの時間が物性値や強度に影響を与えると考えられる。そこで、固化破砕土の物性値や強度を調べるとともに、軟弱地盤上に固化土と固化破砕土により実物大の盛土を作製し、盛土の変状を調べた。その結果、固化破砕土は固化土よりも強度が低いこと、強度の増加割合が小さいこと、破砕するまでの時間が物性値や強度に影響を与えることがわかった。さらに固化破砕土は軟弱地盤に追随して変状することから、このような箇所への施工の可能性が明らかになった。 |