| 結氷河川における流量について連続的な把握を行うことは、アイスジャム氾濫への災害対策の観点、及び上水道の取水などに関した利水計画の策定についての観点、及び魚類生息環境の保全についての観点から非常に重要である。また、上流にダムを有する河川においては、下流における結氷河川の流量についての連続的な把握が、ダムにおける放流量の管理についての観点から非常に重要となっている。
本研究では、その連続的な把握を目的とした、新たな河川結氷時の流量推定手法(以下、新手法と記述する。)について、その普及を目標として、国土交通省北海道開発局札幌開発建設部管内において石狩川水系を対象として、実際の水位流量観測所における冬期の現地状況を踏まえた適用性に関して、現行の結氷補正方法(以下、現行法と記述する。)と比較することによって検討を行っている。また本研究では、同じくその連続的な把握を目的とした、河川結氷期間用HQ式補正方法(以下、結氷河川HQ式補正法と記述する。)についても、それに継続して概ね同様の検討などを行っているところである。
そこで本報告論文によって、後者の方の、すなわち結氷河川HQ式補正法の技術開発に関する紹介を目的とした論文発表を行うこととする。 |