| 本論文は,迂回ルートの供用等により廃道となり現在では維持管理されていない道路沿い斜面における,落石等の斜面変状状況の把握・分析を目的とするものである.調査方法は,道路面上等に到達した落石を記録するほか,デジタルカメラで撮影した斜面写真を前回調査時と比較して背景差分を抽出することで,落石発生跡等の変状発生箇所を直接把握した.調査箇所は北海道の海外道路沿いの急崖斜面の計6区間で,最長11年にわたり調査を行った.その結果を基に,実際に変状の発生した箇所が,道路供用当時にどう着目して点検されていたのかを判断できる様に,調査結果を整理した.また,調査地域を絞り込んでいるために生じる地形や地質状況の偏りを補正するために,UAV撮影した斜面写真を基に作成した三次元地形モデル等から表面積を算出し,斜面の地形区分や地質区分別の斜面面積×年数あたりの災害発生頻度の算出も行った.旧路道路斜面の長年に渡る調査の結果,別線ルートを選択するような危険な地域では,防災点検における危険との認識は妥当であるものの,個別の変状発生部位の特定は困難であったことが確認された.また,災害の発生頻度を分析する上で,表面積当たりという評価軸を導入することの有効性が確認できた. |